「サワガニに何をあげていいか分からない…」「間違った餌で死なせてしまうのが心配」そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、サワガニは雑食性でさまざまなものを食べますが、与えてはいけない餌や注意が必要な食べ物も多数存在します。不適切な餌を与えることで、水質悪化や消化不良を引き起こし、最悪の場合サワガニが死んでしまうこともあるのです。
この記事では、サワガニ飼育初心者の方に向けて、与えてはいけない餌の具体例と理由、安全な餌の選び方、正しい餌やり方法について詳しく解説します。この記事を読むことで、サワガニが健康で長生きできる正しい餌やりの知識が身につきます。

サワガニの食性と基本的な生態を理解しよう
自然界でのサワガニの食生活
サワガニは日本固有の淡水カニとして、きれいな渓流や小川の上流から中流域に生息しています。基本的に夜行性で自然下では日中は石や落ち葉の陰などに潜んでいます。雑食性で、水生昆虫やミミズ、貝類などを食べています。
自然界では水生昆虫のカゲロウやトビケラの幼虫から始まり、陸生昆虫であるバッタやアリ、コオロギなども捕食します。また、小魚の死骸や藻類、水草、落ち葉などの有機物も重要な栄養源となっています。
このように、サワガニは動物性と植物性の両方の栄養素をバランスよく摂取する雑食性の特徴を持っています。この自然な食性を理解することが、適切な餌選びの第一歩となるのです。
サワガニの消化システムと身体的特徴
サワガニは成体になると、体の大きさは甲羅の部分の横幅で3cm、足まで含めると7cmまで成長します。この小さな体には、人間とは大きく異なる消化システムが備わっています。
消化能力が限られているため、大きな食べ物や硬すぎる食べ物は消化困難です。また、水質の変化に非常に敏感で、餌の食べ残しが水を汚すと健康に直接影響します。食事量についても、体のサイズに比べて実際に食べる量は意外に少なく、夜行性の習性により夜間に餌を食べる特徴があります。

絶対に与えてはいけない危険な餌
塩分を含む食べ物は命に関わる
最も危険なのが塩分を含む食品です。サワガニは淡水で生活するため、塩分に対する耐性が極めて低く、塩分を摂取すると浸透圧の関係で体内の水分バランスが崩れ、死に至る可能性があります。
具体的には、塩鮭や塩昆布、漬物などの塩辛い食品全般、ハムやソーセージ、かまぼこなどの加工食品、ポテトチップスやクラッカーなどのスナック菓子、そして調味済みの煮干しや調理済みの肉・魚なども危険です。
これらの食品は、たとえ少量であってもサワガニにとっては致命的となる可能性があるため、絶対に与えないでください。
油分の多い食べ物が引き起こす水質悪化
天ぷらや唐揚げ、フライなどの揚げ物、脂身の多い肉、油で調理した食品、ナッツ類などの高脂肪食品も与えてはいけません。
油分は水質を著しく悪化させ、サワガニの呼吸に必要な水中の酸素を減少させます。また、サワガニの小さな消化器官では油分の処理が困難で、消化不良を引き起こす原因にもなります。私たちの食べているような食品の場合は水が汚れやすいのが特徴です。食べ残してしまった場合は、すぐに掃除をしてあげてください。
糖分過多と香辛料の危険性
チョコレートやキャンディーなどのお菓子類、ケーキや菓子パンなどの砂糖を使った食品は、高糖分が水中の細菌の繁殖を促進し、水質悪化の原因となります。果物についても、少量なら問題ありませんが、糖分過多にならないよう注意が必要です。
さらに危険なのが香辛料や刺激物です。カレーやキムチ、わさびなどの香辛料を使った食品、酢漬けやレモンなどの酸味の強い食品、アルコール類、コーヒーやお茶などのカフェインを含む食品は絶対に禁止です。サワガニの消化器官は非常にデリケートで、これらの刺激物は消化器官に深刻なダメージを与える可能性があります。
腐敗しやすい食品のリスク
刺身や生魚などの生の魚介類、牛乳や乳製品、生卵、柔らかいパンなども注意が必要です。これらの食品は腐敗が早く、適切な管理なしでは水質悪化を引き起こし、サワガニの健康を害する可能性があります。
特に水中でふやけやすい柔らかいパンは、水質悪化の原因となりやすいため避けるべきです。
家にあるもので安全に与えられる餌
穀物類を活用した基本の餌
最も手軽で安全な餌の一つがご飯粒です。サワガニは、本当に雑食なのですね。ご飯粒の他にはパンの小さなかけらだったりも食べます。炊いたお米は消化しやすく、サワガニにとって適切な栄養源となります。
パンについては、白い部分を小さくちぎって与えることができますが、必ず少量に留めてください。また、素うどんを茹でた状態で小さく切ったものや、水でふやかしたお麩も適切な餌となります。
これらの穀物類は水を汚しにくく、サワガニが消化しやすい特徴があります。ただし、与えすぎると水質悪化の原因となるため、適量を心がけることが重要です。
サワガニ餌としての野菜の活用法
キャベツの正しい与え方
キャベツ、ブロッコリー、水菜などの野菜類は、サワガニにとって最適な餌の一つです。特にキャベツは入手しやすく、栄養価も高いためおすすめです。
与え方としては、生のまま小さく切って与えるのが基本です。頻度は週2から3回程度が適切で、農薬が心配な場合はよく洗う、または無農薬のものを選ぶことをおすすめします。
その他の適切な野菜類
ブロッコリーは茹でて柔らかくしてから与え、ホウレンソウは生または軽く茹でた状態で提供します。水菜は生のまま細かく切り、ニンジンは茹でて柔らかくしてから与えてください。
これらの野菜は植物性の栄養素を提供し、サワガニの健康維持に重要な役割を果たします。
動物性食品の安全な選び方
かつおぶしの適切な使用法
飼育下においてはごはんつぶやキャベツ、イトミミズ、カツオブシなどを与えることになります。かつおぶしは適切に与えれば良い餌となりますが、必ず無添加の削り節を選ぶことが重要です。
与え方としては、少量をふやかして与えるのが基本で、塩分無添加のものを必ず選んでください。市販のかつおぶしには塩分が添加されているものもあるため、購入時には成分表示を確認することが大切です。
その他の安全な動物性食品
イトミミズは栄養価が高く最適な餌です。シラスについては塩抜きしたものを選び、煮干しも塩分無添加のものを選ぶことが重要です。これらの動物性食品は、サワガニの健康な成長に必要なタンパク質を提供します。
正しい餌やりの方法と注意点
適切な餌やりのタイミングと頻度
サワガニは夜行性で、昼間は寝ており、夜になると動き始めます。そのため、餌やりは夜間に行うのが最も効果的です。頻度については、2から3日に1回が適切とされています。
サワガニは基本的に少食なので、餌は2日に1回、少量を与える程度でもOKです。与える量は、サワガニの甲羅サイズの半分程度を目安としてください。
餌やりの具体的な手順
餌の preparation段階では、適切なサイズに切る、または刻むことから始めます。清潔な器具としてピンセットや割り箸を使用し、餌を水槽に投入してください。投入後は、サワガニが実際に食べている様子を観察することが重要です。
最も重要なのは、食べ残しの除去です。翌日までに食べ残しは必ず取り除いてください。サワガニの餌は水の中に入っているので腐りやすいですから、食べ残しはすぐ片付けます。
餌のバリエーションと栄養バランス
単一の餌だけでなく、動物性と植物性の餌をバランスよく組み合わせることが重要です。サワガニの餌は2日に1回程度与え、いろいろな種類を与える方が長生きするそうです。
新鮮さを重視し、古い餌は絶対に与えないでください。また、与えすぎは禁物で、サワガニが実際に食べきれる量を把握することが大切です。
飼育環境と餌やりの関係性
水質管理の重要性
サワガニは綺麗な水の指標生物とも言われるぐらい、綺麗な水を好みます。適切な水量は餌やりと密接に関係しており、推奨される水深は3から5センチメートルです。
水量が多めの場合、水質安定化に効果的で、餌による水質悪化を緩和できます。逆に水量が少ないと、餌による水質悪化が早まるため注意が必要です。
水温管理と餌の関係
サワガニは20~25度の冷ためな水を好みますので、水温を確認しつつ水換えなどを行いましょう。30度を超えるような高温は危険です。
高温環境下では餌の腐敗も早まるため、28度以上は危険とされています。低温時にはサワガニの活動が鈍くなり食欲も減退するため、餌の量を調整する必要があります。
市販餌の効果的な活用
市販のザリガニ用フードやカメ用フード、エビ用のフードは、栄養バランスが良く消化しやすい特徴があります。これらの人工飼料は水質悪化しにくく、長期保存が可能で、適切なサイズで製造されているメリットがあります。
| 餌の種類 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| ザリガニ用フード | 栄養バランス良好 | 適量を守る |
| 自然食品(野菜類) | 自然に近い栄養 | 腐敗に注意 |
| 穀物類 | 消化しやすい | 与えすぎ注意 |
サワガニが死ぬときの兆候と対策
危険な症状の早期発見
サワガニが泡を吹いている時は水が汚れたり、酸素が不足している時です。これは最も分かりやすい危険のサインです。その他にも、普段より明らかに活動量が減少する、通常より甲羅の色が暗くなる、2週間以上餌を食べない場合は危険な状態です。
最も深刻なのは水面に浮く状態で、これは死亡直前の可能性を示しています。これらの症状を見逃さないよう、日常的な観察が重要です。
餌が原因となる健康問題
水質悪化による死亡の主な原因は、食べ残しの放置、腐りやすい餌の使用、過度な餌やりです。対策としては、食べ残しを24時間以内に除去し、水質チェックを定期的に実施し、餌の量を適切にコントロールすることが重要です。
消化不良による体調悪化は、大きすぎる餌、消化困難な食品、塩分や油分の摂取が原因となります。餌のサイズを適切に調整し、与えてはいけない食品を避け、消化の良い餌を選ぶことで予防できます。

よくある質問(FAQ)
- Qサワガニにパンをあげても大丈夫ですか?
- A
白いパンの部分であれば、小さくちぎって少量与えることは可能です。ただし、柔らかいパンは水中でふやけて水質悪化の原因となりやすいため、頻繁に与えるのは避けてください。また、調味料や添加物が含まれているパンは与えないでください。
- Q市販のカニ缶の身を与えても良いですか?
- A
市販のカニ缶は塩分や調味料が含まれているため、絶対に与えないでください。サワガニは塩分に対する耐性が極めて低く、少量でも健康を害する可能性があります。
- Qサワガニが餌を食べないときはどうすれば良いですか?
- A
まず水質をチェックし、必要であれば水換えを行ってください。サワガニは夜行性なので、夜間に餌を与えてみてください。それでも食べない場合は、餌の種類を変えてみることをおすすめします。2週間以上食べない場合は健康状態に問題がある可能性があります。
- Q冬の間の餌やりはどうすれば良いですか?
- A
冬の寒い時期、サワガニは自然下では冬眠をして過ごします。飼育下で冬眠させない場合はヒーターで加温し、通常通り餌を与えてください。冬眠させる場合は、餌やりを停止し、暖かくなって活発に動くようになったら再開してください。
- Q複数のサワガニを飼っている場合、餌の量はどう調整すれば良いですか?
- A
サワガニを多く入れるとストレスになりますから、飼育する数は少なめにすることが基本です。複数飼育の場合は、それぞれが十分に食べられるよう餌を分散して与え、隠れ場所を多めに用意してください。また、脱皮直後の個体は共食いされやすいため、別容器で隔離することが重要です。
まとめ:安全なサワガニ飼育のための餌やりガイド
サワガニの健康な飼育において、適切な餌選びと餌やり方法は極めて重要です。最も重要なのは、塩分を含む食品を絶対に与えないことです。油分の多い食品、香辛料や刺激物、腐敗しやすい食品も避けなければなりません。
安全な餌として推奨されるのは、ご飯粒などの穀物類、キャベツやブロッコリーなどの野菜類、そして無添加のかつおぶしやイトミミズなどの動物性食品です。これらを動物性と植物性のバランスを考えて組み合わせ、2から3日に1回、夜間に適量を与えることが基本となります。
餌やりと同じく重要なのが水質管理です。食べ残しは24時間以内に必ず除去し、定期的な水換えを行ってください。水温は20から25度を保ち、28度以上にならないよう注意が必要です。
サワガニが泡を吹く、動きが鈍い、餌を食べないなどの症状が見られた場合は、水質の確認と改善を速やかに行ってください。「これあげていいの?」と迷ったときは、与えない方が安全という原則を常に心がけましょう。
適切な知識と注意深い管理により、サワガニは10年近く生きることもあります。日本固有の美しい生き物との生活を、安全で楽しいものにしていくために、この記事の内容を実践してください。健康なサワガニとの暮らしは、きっと皆さんにとって貴重な体験となるでしょう。


