「カニの専用餌を買い忘れた!」 「急にカニを飼うことになったけど、餌がない…」 「毎回ペットショップに行くのが大変…」
こんな経験はありませんか?
カニ飼育を始めたばかりの方や、突然の事情で専用の餌が切れてしまった飼育者の皆さんにとって、「今日のカニの餌は何にしよう?」という悩みは切実なものです。実は、あなたの家の冷蔵庫や食品棚には、カニが喜んで食べる食材がたくさん眠っているんです。
本記事では、カニの餌として家にあるもので代用できる安全な食材と、その適切な与え方を徹底解説します。さらに100均で手に入る便利なアイテムも紹介するので、経済的にもエコにもカニ飼育を楽しみたい方は必見です!
それでは、キッチンを覗きながら、カニたちの食卓を豊かにする旅に出かけましょう。
参照:これまでの支援プロジェクト | 公益信託 経団連自然保護基金/経団連自然保護協議会
カニの食性を知ろう:種類別の好物と食習慣

カニに適した餌を考える前に、まずはカニの基本的な食性について理解しておきましょう。カニは基本的に雑食性の生き物です。自然界では「掃除屋」として、他の生物の死骸や有機物を食べることで生態系の浄化に一役買っています。しかし、その食性は生息環境や種類によって大きく異なります。
サワガニなどの淡水性のカニは、川底に落ちた落ち葉や水生植物の他、小さな水生昆虫やミミズなどの小動物も食べます。彼らは特に動物性タンパク質を好む傾向が強いので、飼育下では煮干し、オキアミ、イトミミズ、金魚のエサなどが適しています。
一方、ケガニやタカアシガニなどの海水性のカニは、小魚や貝類、他の甲殻類の死骸などを主食としています。また、海藻類も重要な栄養源となります。マリンアクアリウムで飼育する場合は、ライブロックに生えるコケ類も食べることがあります。
どのカニを飼育する場合も、食べ残しがすぐに水質を悪化させる点に注意が必要です。カニが30分程度で食べきれる量を目安に与え、食べ残しはすぐに取り除きましょう。
「最初はたくさん餌をあげていましたが、水が濁りやすくなって水換えが大変でした。今は少量ずつ与えて、食べ残しをすぐに取り除くようにしています。カニも元気になりましたよ!」とサワガニ飼育3年目の田中さんは語ります。
では次に、具体的に家庭にある食材で代用できるカニの餌について詳しく見ていきましょう。
家にある動物性食材でカニを満足させる方法

カニが喜ぶ動物性の餌は、実はご家庭のキッチンに眠っていることが多いんです。ここでは特におすすめの食材をご紹介します。
カニの餌 かつおぶしの与え方と保存法
かつおぶしはタンパク質が豊富で、多くのカニが好んで食べる人気の餌です。特にサワガニなどの淡水カニには最適です。与え方としては、小さなかつおぶし(削り節)をピンセットで少量つまみ、水槽に入れます。指でつまめる程度の量(5mm四方程度)を目安にしましょう。与えすぎは水質悪化の原因になるので注意が必要です。
保存方法としては、開封後は密閉容器に入れて冷蔵庫で保管します。湿気やカビを防ぐため、乾燥剤を一緒に入れるとよいでしょう。古くなりすぎたものは与えないように注意してください。
冷凍庫の救世主:しらすやするめ
冷凍庫に眠っているしらす干しやするめも、カニの絶好の餌になります。しらす干しを与える場合は、解凍したしらすを5mm程度に切り分け、カニ1匹につき1-2切れを目安にします。食べ残しは1時間以内に取り除きましょう。腐敗が早いので特に注意が必要です。
するめを与える場合は、はさみで5mm角程度に細かく切ります。固すぎる場合は少し水に浸してから与え、ピンセットで直接カニの前に置くとよいでしょう。
魚介類は腐敗が早いので、与えすぎや食べ残しには特に注意しましょう。水温が高い夏場は特に気をつけてください。
サワガニ 餌 家にあるもの
サワガニを飼育している方には、家庭にある様々な食材が活用できます。煮干しは頭と内臓を取り除き、小さく砕いて与えるとよいでしょう。イトミミズは園芸用の土から採取したものも使えますが、農薬がない土から採取するようにしてください。ご飯粒を少量丸めて与えることもできますが、水質悪化に注意が必要です。金魚のエサも少量をピンセットでつまんで与えることができます。
特にサワガニは煮干しが大好物という個体が多いです。煮干しの頭と内臓を取り除いて与えると、水質悪化を防ぎながら栄養価の高い餌となります。
パンはNG?カニの餌にパンを与える際の注意点
「カニの餌 パン」で検索する方も多いですが、パンを与える際は注意が必要です。パンのメリットとしては、手に入りやすく、多くのカニが食べるという点があります。一方でデメリットとしては、水中ですぐに崩れて水質悪化の原因になる、栄養バランスが偏っている、カビやすいといった点が挙げられます。
どうしても与えたい場合は、食パンの耳など固めの部分を5mm角程度に切り、極少量(カニが10分以内に食べきれる量)だけ与えるようにしましょう。食べ残しは必ず取り除き、週1回程度の頻度に抑えることをおすすめします。
「うちのサワガニはパンが大好きで、あげるとすぐに前脚でつかんで食べます。でも水が濁りやすいので、週1回の特別メニューにしています」とサワガニ飼育者の佐藤さんは話します。
野菜・果物・海藻類:植物性の餌と栄養補給

カニに野菜や果物を与えることで、バランスの良い栄養を補給できます。特に海水カニには海藻類も重要な栄養源です。
カニの餌 野菜の選び方と下処理
カニに適した野菜には、キャベツ、キュウリ、コマツナ、ブロッコリー、水菜などがあります。キャベツは葉の部分を小さく(5mm四方程度)切って与え、キュウリは薄切りにして与えます(種の部分も好むカニが多いです)。コマツナは茹でてから小さく切って与え、ブロッコリーは茹でた小房を細かくちぎって与えます。水菜は生のまま細かく切って与えるとよいでしょう。
与え方のポイントとしては、野菜は必ず細かく切る(5mm以下が目安)ことが重要です。硬い野菜は軽く茹でてから与えるとカニが食べやすくなります。農薬を除去するため、よく水洗いすることも忘れないでください。食べ残しは12時間以内に必ず取り除きましょう。
海のカニには必須!海藻類の与え方
海水で飼育するカニには、乾燥ワカメなどの海藻類も重要な栄養源となります。おすすめの海藻類としては、乾燥ワカメ(スーパーで販売されている食用のもの)、乾燥昆布(細かく切って与える)、海苔(小さくちぎって与える)などがあります。
与え方としては、乾燥海藻を水で戻し、1cm四方程度に切ります。ピンセットで水槽内の目立つ場所に置き、1-2日様子を見て、食べ残しがあれば取り除きましょう。
「海のカニには植物性の栄養素も重要です。特にヨウ素などのミネラルは海藻から摂取させると良いでしょう。家庭の食用海藻で十分代用できます」と水族館飼育員の山田さんは言います。
100均で買える!コスパ抜群のカニ餌アイテム

専用の餌がなくても、100均には優秀なカニ餌アイテムがたくさんあります。特にダイソーには甲殻類向けの商品が充実しています。
カニの餌 ダイソーでおすすめの商品
ダイソーには、カニやザリガニ向けの餌が数種類あります。「ザリガニのエサ」はカニにも使える沈下性の餌であり、「カメの主食」は小型カニにも適しています。また、「熱帯魚の餌(沈下性)」も小型カニ向きです。
これらの餌のメリットとしては、コスパが良い(100円〜200円で長期間使える)、栄養バランスが考えられている、保存が効く、水質への影響が少ないといった点が挙げられます。
ザリガニの餌はカニにも最適!
実はザリガニ用の餌は、カニにも非常に相性が良いんです。おすすめの理由としては、カルシウムが豊富で甲羅の形成に役立つこと、沈下性でカニが食べやすいこと、栄養バランスが良いこと、水質への影響が少ないことなどが挙げられます。
人気商品例としては、コメット「ザリガニのエサ」(100円ショップでも販売)、コメット「ザリガニ・カニの主食」、ひかり「ザリガニのエサ」などがあります。
「ダイソーのザリガニのエサを買ってみたら、うちのカニたちが喜んで食べました。値段も安いので助かっています」とカニ飼育者の鈴木さんは語ります。
効果的な組み合わせ方
理想的には、100均の人工餌と家庭の食材を組み合わせて与えるのがベストです。おすすめのローテーションとしては、月・木は100均の人工餌、火・金は動物性食材(かつおぶし、煮干しなど)、水・土は野菜や海藻類、日曜日は絶食日(消化と水質維持のため)といった感じで組むとよいでしょう。
このようにローテーションを組むことで、栄養バランスを保ちながら経済的にカニを飼育できます。
カニ種類別:最適な餌の選び方と与え方

カニの種類によって、最適な餌や与え方は異なります。ここでは代表的なカニ種類別におすすめの餌と給餌方法を紹介します。
サワガニの理想的な餌と給餌サイクル
サワガニは日本の河川でよく見かける小型のカニで、比較的飼育しやすい種類です。おすすめの餌としては、煮干し(頭と内臓を取り除いたもの)、かつおぶし、イトミミズ、金魚のエサ、コマツナやキャベツなどの葉物野菜などがあります。
給餌頻度としては、成体は2〜3日に1回、幼体は1〜2日に1回、冬季(水温15℃以下)は週1回程度が適しています。給餌量は体長の1/3程度の大きさの餌を1〜2個が目安です。
ミナミヌマエビと混泳している場合の注意点
サワガニとミナミヌマエビを一緒に飼育している方も多いでしょう。この場合、サワガニはエビを捕食することがある点に注意が必要です。一方で、エビが食べ残した餌をサワガニが掃除してくれるというメリットもあります。また、エビ用のシュリンプフードはサワガニも喜んで食べることが多いです。
混泳時の給餌のコツとしては、エビが隠れられる水草や流木を十分に用意することが重要です。餌は水槽内の複数箇所に分散して与え、サワガニが満腹になるよう、先に動物性の餌を与えておくとエビが捕食される確率を下げることができます。
海水カニ(シマイシガニなど)の栄養バランス
海水カニには独自の栄養ニーズがあります。おすすめの餌としては、乾燥ワカメなどの海藻類、しらす干しや小魚の切り身、乾燥エビ(釣りエサ用のアミエビなど)、市販の海水魚用の沈下性フードなどがあります。
給餌頻度としては、成体は2〜3日に1回、幼体は毎日少量、夏季(水温上昇時)は少量を2日に1回程度が適しています。給餌のポイントとしては、必ず海藻類を定期的に与えること、カルシウム補給のため、小魚や甲殻類(殻ごと)を含めること、水質悪化が特に致命的なので、食べ残しは必ず除去することなどが挙げられます。
「海水カニは特にミネラルバランスが重要です。市販の海水魚用フードに加えて、海藻類を定期的に与えることで健康を維持できます」と海水魚専門店店員の佐々木さんは言います。
よくある質問:カニの餌に関するQ&A

カニの餌について、飼育者からよく寄せられる質問にお答えします。
- Qパンだけでカニを飼育できますか?
- A
パンだけでの長期飼育はおすすめできません。理由としては、栄養バランスが偏っている(特にタンパク質やカルシウムが不足)こと、水中ですぐに崩れて水質を悪化させること、カビやすく、細菌の繁殖源になりやすいことなどが挙げられます。
パンを与える場合は、週1回程度の「おやつ」として少量のみにし、主食は他の適切な餌にしましょう。
- Q海のカニと川のカニでは餌の与え方に違いがありますか?
- A
はい、大きな違いがあります。海のカニは海藻類が重要な栄養源であり、塩分を含む食材が適しています。また、ヨウ素などの特有のミネラルが必要です。一方、川のカニは落ち葉や水生植物を好む傾向があり、淡水性の小動物(イトミミズなど)を好みます。塩分濃度の高い餌は避けるようにしましょう。
それぞれの自然環境に近い食材を選ぶことが大切です。
- Q家庭の食材だけで長期飼育は可能ですか?
- A
可能ですが、栄養バランスに注意が必要です。可能な条件としては、動物性と植物性の食材をバランスよく与えること、定期的にカルシウム源(小魚の骨や甲殻類の殻など)を与えること、餌のローテーションを組んで栄養の偏りを防ぐことなどが挙げられます。
長期的には、市販の専用フードと家庭の食材を組み合わせるのが理想的です。ただし、上記の点に注意すれば、家庭の食材だけでも健康に飼育できます。
- Qカニが餌を食べない原因は?
- A
カニが餌を食べない原因としては、水質の悪化(アンモニアや亜硝酸塩の蓄積)、水温の急激な変化(適温から大きく外れている)、脱皮前後(脱皮の前後は一時的に食欲が落ちる)、ストレス(環境変化や他の生体からの威嚇)、好みに合わない餌(カニ個体によって好みが異なる)などが考えられます。
特に水質の悪化は、カニが餌を拒否する最も一般的な原因です。定期的な水質検査と水換えを心がけましょう。
- Q冬眠期のカニにも餌は必要ですか?
- A
冬眠期(水温が10℃以下になる時期)のカニは代謝が落ち、食欲も大幅に減少します。冬眠期の給餌ポイントとしては、餌の量を通常の1/3〜1/4程度に減らすこと、給餌頻度を週1回程度に減らすこと、食べ残しには特に注意すること(冬は分解が遅いため)、水温が5℃以下になる場合はほぼ絶食状態になることもあることなどが挙げられます。
カニが活動を再開する春までは、少量の餌を与える程度で問題ありません。むしろ、冬眠中の過剰給餌は水質悪化の原因になるので注意しましょう。
まとめ:家にあるもので作る最適なカニ餌ローテーション

これまでの内容をまとめると、カニの餌は家庭にある食材と100均アイテムを上手に組み合わせることで、経済的かつ健康的に用意できることがわかりました。
理想的な週間餌ローテーション例
理想的な週間餌ローテーションとしては、月曜日は動物性タンパク質(かつおぶしや煮干し)、火曜日は絶食日(消化と水質維持のため)、水曜日は野菜類(キャベツやコマツナなど)、木曜日は100均の人工餌、金曜日は動物性タンパク質(しらすや乾燥エビなど)、土曜日は海藻類(海水カニの場合)または野菜類(淡水カニの場合)、日曜日は絶食日といった感じがおすすめです。
このローテーションを基本に、カニの種類や食欲、水質の状態に合わせて調整してください。
最後に:カニ飼育の醍醐味
カニ飼育の楽しさの一つは、彼らの食事シーンを観察することです。餌を器用につかむ様子や、前脚で口に運ぶ仕草は見ていて飽きません。
家にあるものや100均アイテムで代用できる餌を活用すれば、経済的な負担を減らしながら、カニの健康と成長を支えることができます。
適切な餌と給餌方法を実践して、あなたのカニたちが元気に長生きできる環境を整えてあげてくださいね。カニたちの健康的な食生活が、あなたの飼育ライフをより豊かなものにしてくれるでしょう。